茶禅華 川田 智也 日本の食材や精神、中国料理の技術や哲学に敬意と調和を

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青柚子とクラゲに、古くからの定番料理「葱油鶏」を組み合わせた一品

「和魂漢才」をテーマとして掲げる「茶禅華」川田智也氏。日本の食材や精神と、中国料理の技術や哲学、その両方に敬意を表し、調和を大切にする。そんな川田氏が青柚子を用いた料理を披露してくれた。

今回青柚子と組み合わせたのは、クラゲと蒸し鶏。青柚子とクラゲに、古くからの定番料理「葱油鶏」――蒸し鶏を、ネギとショウガのみじん切りに熱い油をかけて香り立たせた醬で和えた品――のイメージを重ねた。しかし、単に重ねただけではなく、緻密に調理するのが特徴。

「クラゲは傘と脚の間にある、分厚く弾力の強い部位を使用。お客さまが召し上がる時間から逆算してボイルし、水にさらすことで理想の食感に仕上げます」(川田氏)

クラゲにそこまで気を使う料理店はまずない。だからこそ、柔らかい蒸し鶏との鮮やかな対比が生まれ、料理の完成度が高まるのだ。

茶禅華の柚子の料理
クラゲと蒸し鶏に、ネギ、ショウガ、そして青柚子の香りをまとわせ、柚子釜におさめた。クラゲは特に厚みのある部位を使用。コリコリとした歯ごたえと、蒸し鶏の柔らかさが対比を作る。ふたの果肉を少量絞るようすすめ、酸味と香りをアクセントとする。
川田 智也

茶禅華 川田 智也

Tomoya Kawada
1982年栃木県生まれ。「麻布長江」で10年間にわたり四川料理を修業したのち、「日本料理龍吟」に入門。同台湾店である「祥雲龍吟」の立ち上げから参加し、副料理長を務める。帰国後、2017年2月に「茶禅華」をオープン。同年、ミシュラン二つ星を獲得。
このシェフについて