近年、ひときわの充実を見せる東京の中国料理。その中でも存在感を見せる「膳楽房」のオーナーシェフの榛澤知弥氏が特に大切しているという料理「自家製腸詰」をご紹介。
「当店で、私が特に大切にしている料理が「自家製腸詰」です。これは私が20歳のころに食べて感動した、現在は閉店してしまっている小岩の「揚州飯店」の味をなんとか再現したいと、試行錯誤して作りました」(榛澤氏)
腸詰というとサラミのように水分を抜くものというイメージがあるが、こちらではしっとりとジューシーに仕上げている。
「揚州飯店の味を再現しようと思い立った時には、もうそちらのお店はなかったので、揚州飯店の常連さんが冷凍保存していた腸詰を食べさせていただき、味の研究に励みました」(榛澤氏)
肉の食感が残り、ソフトながら凝縮感のある味が特徴。自分なりに再現した揚州飯店の味に、自家製の豆板醤と甜麺醤を添えて提供している。
Photo Haruko Amagata
中華菜 膳楽房 榛澤 知弥
Tomoya Hanzawa
1976年、東京都生まれ。大学卒業後、アルバイトをしていた阿佐ヶ谷の老舗居酒屋に就職。その後「龍口酒家 チャイナハウス」に入り、10年間働く。2013年に独立し、「中華菜 膳楽房」をオープン。
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