エスキス リオネル・ベガ 生命力を感じる「ヤリイカの前菜」

Loading

フランス料理ならではの構築的な視点で、日本の食材にアプローチする「エスキス」のリオネル・ベカ氏。南仏風の柑橘類の使用法、ベカ氏独自の発想による食材の組み合わせを取り込むことも。シンプル、かつ意外性のある料理が特徴のベガ氏に今回紹介していただくのは、不思議な雰囲気を持つ「ヤリイカの前菜」だ。

ヤリイカの前菜

リオネル・ベカ氏が作るヤリイカの前菜

ヤリイカをソテーし、シトロンコンフィやパセリなどの入ったバターで香りをまとわせて。コゴミなどの山菜とともに、ブロッコリーのピュレの上に盛りつけました泡状のソースは、煮詰めたイカの出汁汁がベースで、バラした塩タラコで濃度をつけてこし、リモンチェッロと発酵バターで風味づけ。ほんのりとしたコク、透明感のある風味が特徴だ。

「イカと山菜は味の相性が良いだけでなく、どちらも自然のもの。また、イカは海底の、山菜は土の中のパワーを蓄えているので、食べると非常に生命力を感じる。そうした共通項のある食材を組み合わせました」(ベガ氏)

パレットナイフで線を描く

皿には、イカ墨のソースで描いた線をパレットナイフで崩した、ちょっと不思議な雰囲気の絵を描いている。

「イカは、逃げる時に墨を吐きます。そのイメージを表現しました。食べるとは命をいただくこと。そうした思いで描いています」(ベガ氏)
パレットナイフで描いた線

リオネル・ベガ

エスキス リオネル・ベガ

Lionel Beccat
1976年フランスのコルシカ島生まれ。「メゾン・トロワグロ」でスーシェフを務め、2006年に東京の「キュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロ」のシェフとして来日。2012年「エスキス」のエグゼクティブ シェフに。
このシェフについて