「フロマージュブランは、私の料理人人生を通して常にともにある食材です」
そう話すのは、「エスキス」のリオネル・ベガ氏。というのも、ベガ氏はフランス料理の料理人だが、バターやクリームがあまり好きではない。そこで活躍するのが、フロマージュブランだ。「クリームの代わりにソースに濃度をつけることもでき、ヘルシーです」とベガ氏。
フロマージュブランは水きりすることで、料理への活用方法が格段に広がる。今回ご紹介する魚料理は、フィレにおろしたサワラの切り身を1日かけて脱水シートで包み水分を抜き、その後、水きりしたフロマージュブランで2日間マリネに。こうすることで、味噌漬けにしたように、旨みが増すのだそう。また、水きりで出た水分(乳漿)にも素晴らしい活用法が。
「菜の花を乳漿でマリネしてからさっと蒸し煮にすると、本来の風味が強調され、奥行きのある仕上がりになるのです。面白いでしょう?」とベガ氏。
フロマージュブランはヘルシーなだけでなく、効能も優れているのだ。
エスキス リオネル・ベガ
Lionel Beccat
1976年フランスのコルシカ島生まれ。「メゾン・トロワグロ」でスーシェフを務め、2006年に東京の「キュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロ」のシェフとして来日。2012年「エスキス」のエグゼクティブ シェフに。
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