ピエール・ガニェール 赤坂 洋介 組み合わせの妙と、オーソドックスなソース

Loading

希代の天才シェフ、ピエール・ガニェール氏の名を冠したレストランがANAインターコンチネンタルホテル東京内にある。そのシェフを務めるのが、赤坂洋介氏。日本の食材をフランス料理の技術、そしてガニェール氏のエスプリで仕立てている赤坂氏の料理をご紹介しよう。

「ガニェールさんは鬼才というイメージを強く持たれていますが、作る料理のベースは、フランス料理の王道――しっかりとしたソースがあり、食材、付け合わせと調和する――と思っています。ただし、他の誰もが考えつかないような組み合わせが登場する。そこに面白さがあります」と赤坂氏。

今回紹介する1品目はフォアグラのポワレと牡蠣、ビーツを合わせたもの。牡蠣は、バターとエシャロットでゆっくりと温めるように加熱し、最後に煮詰めた赤ビーツのジュースを加えて仕上げる。フォアグラと牡蠣、そこに甘さと土臭さ、そして鮮やかな色を持つビーツを加えた構成。上にのせた葉は、牡蠣の香りがするオイスターリーフとホウレンソウだ。

フォアグラのポワレと牡 蠣、ビーツを合わせた料理|ピエール・ガニェール
フォアグラのポワレに、ビーツのジュースでその風味をまとわせた牡蠣を合わせ、ホウレンソウ、牡蠣の香りの葉野菜「オイスターリーフ」とともに。ビーツの鮮やかな色と穏やかな風味が印象的。

一つの料理を多皿で構成するのも、ガニェール氏の特徴だと話す赤坂氏。二品目のシャラン産鴨の料理は、メインとなるのが胸肉のローストに濃厚なサルミソース、アルザス地方のパスタ「シュペッツレ」、ジロール茸の皿。そこにピキオス(バスク地方の赤ピーマン)のピュレをぬったもも肉のコンフィを添え、口直し的な2品――シードルで蒸し煮にしたミニニンジン、プーアール茶の香るプルーンのソルベを添えている。

シャラン産鴨の料理|ピエール・ガニェール
迫力ある旨みが特徴のシャラン産の鴨。胸肉は濃厚なサルミソース、モチモチとしたパスタ「シュペッツレ」とともに。もも肉はコンフィに。口をリフレッシュする野菜、ソルベとともに提供する。

Photo Masahiro Goda

赤坂 洋介

ピエール・ガニェール 赤坂 洋介

Yosuke Akasaka
1979年千葉県生まれ。調理師学校卒業後、渡仏。4年間にわたり修業し、2003年にパリの「ピエール・ガニェール」に入店。2005年に青山の「ピエール・ガニェール・ア・東京」オープニングスタッフ。2011年からANAインターコンチネンタルホテル東京「ピエール・ガニェール」のエグゼクティブシェフ。
このシェフについて