エステール マルタン・ピタルク・パロマー 人間にも環境にも優しい料理

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丸の内のパレスホテル東京内にあるレストラン「エステール」。その料理の特徴は、日本の気候風土を存分に反映したナチュラルな料理を、新時代の技法と思想で表現する点だ。体にも環境にも優しい料理を作る、斬新なコンセプトの同店は、若きシェフ、マルタン・ピタルク・パロマー氏が厨房を率いる。

今回は、ピタルク・パロマー氏に。体にも地球環境にも優しい新時代の料理を2品紹介してもらう。

今回紹介する「埼玉産の野菜とそのジュ ル・カフェ・アラン・デュカスのコーヒー風味」は、野菜とコーヒーのハーモニーを楽しむ一皿だ。

埼玉産の野菜とそのジュ ル・カフェ・アラン・デュカスのコーヒー風味|エステール
「埼玉産の野菜とそのジュ ル・カフェ・アラン・デュカスのコーヒー風味」では、埼玉県産の野菜を11種類使用。甚五右ヱ門芋、レンコン、ビーツなどはそれぞれに適した方法で、コーヒーを用いて火入れ。ニンジンとエスプレッソの豆のかすを合わせたソースは、その香り高さが印象的。

「ニンジンとコーヒーの組み合わせで全体をまとめています。『ニンジンとコーヒー』と聞くと、驚かれるかもしれません。この組み合わせは、前の職場でひらめいたものです。もともと私はコーヒーが大好きで、休憩時間ごとに飲んでいたのですが、ふと手元を見たら生のニンジンがあった。かじってみたところコーヒーと風味の相性が抜群だったのです!」(ピタルク・パロマー氏)

この料理では、仕上げにコールドプレスで抽出したニンジンのピュアなジュースを流し、エスプレッソのコーヒーかすを散らしている。

なお野菜は、埼玉で出会った農家が作る味の濃いものを11種類使用。調理に際しては、レンコンをアメリカンコーヒーで火入れしたり、ビーツをコーヒー豆入りの岩塩で包み焼きにするなど、随所でコーヒーを使用しているそうだ。

「野菜にフォーカスしたり、コーヒーかすを料理に使うなど、健康や食材ロス軽減を強く意識するのがこのレストランの特徴です。体にも地球環境にも優しい。かつ、今までにないおいしさがある。そんな、新時代の料理をご提供していきたいと思っています。」(ピタルク・パロマー氏)

北海道産帆立貝 トピナンブールとリヴェッシュ|エステール
「北海道産帆立貝 トピナンブールとリヴェッシュ」は、ホタテとシュンギク、キクイモで構成する皿。ホタテのソテーの下は、ホタテとシュンギクで作ったピュレ。ホタテのコンソメがベースのソースを添える。

Photo Haruko Amagata

マルタン・ピタルク・パロマー

エステール マルタン・ピタルク・パロマー

Martin PITARQUE PALOMAR
1992年フランス・ロット生まれ。星付きのレストランを経て、「アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ」に。ロンドン「アラン・デュカス・アット・ザ・ドーチェスター」にてエグゼクティブ・スーシェフに。2019年に「エステール」のシェフに就任。
このシェフについて