ボッテガ 笹川 尚平 滋味豊かな郷土料理

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食材や季節によって、微妙に、愛情深く変化する笹川氏の料理

イタリアの郷土料理のニュアンス、中国料理の医食同源、優れた食材、それらすべてを融合し、体現しているのが「ボッテガ」笹川尚平シェフだ。彼が提供するのは、イタリアで長年愛されてきた、滋味豊かな郷土料理。変わらないように思えるその味は、実は食材や季節によって、微妙に、愛情深く変えられている。今回はそんな笹川氏の料理を2品、ご紹介しよう。

「ボッテガ」笹川尚平シェフの料理「トリッパ、ギアラ、小腸の煮込み」

トスカーナ州の郷土料理であるトリッパの白ワイン煮込みを、ギアラや小腸を加えてアレンジした「トリッパ、ギアラ、小腸の煮込み」。通常はトリッパを何度もゆでこぼしてから煮込むが、「ボッテガ」では新鮮な食材を使っているため、内臓はゆでこぼさず、ゆで汁を出汁としてそのまま使う。そして、ふたを開けたままオーブンに入れ、熱で浮いてきた脂はアクとして取るのではなく、焼きながら煮込む。食材の旨みをすべて閉じ込めた「100%内臓です」と、笹川尚平氏は破顔する。

「夏は白ワインを増やしてさっぱり仕上げるなど、食材と季節に応じて日々調整します。そうすることで、常においしいと言ってもらえる“定番”にしています」(笹川氏)

「ボッテガ」笹川尚平シェフの作るメイン料理

2品目は黒毛和牛の希少部位、シンシンをローストし、マルサラ酒がベースのソースを添えて、黒トリュフを散らしたメイン料理。柔らかな肉の旨みにソースのマスタードと黒コショウの辛みがアクセントとなり、食欲をそそる。

笹川 尚平

ボッテガ 笹川 尚平

Shohei Sasagawa
1976年富山県生まれ。調理師学校卒業後、東京で中国料理を学び、後にイタリア料理に転向。1年間イタリアで修業した後、「アロマフレスカ」の原田慎次氏に師事し、2017年に広尾に「ボッテガ」をオープン。
このシェフについて