イル プレージョ 岩坪 滋 秋の味覚を力強く楽しむ「戻り鰹と天然きのこの料理」

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レストランの多い代々木上原にて、9年間にわたり安定した人気を獲得している「イル プレージョ」。オーナーシェフの岩坪滋氏による、秋の素材を力強く、そして鮮やかに生かした「戻り鰹と天然きのこの料理」を紹介してもらう。

戻り鰹と天然きのこ、両方が主役級の存在感!

「イル プレージョ」の戻り鰹と天然きのこの料理
気仙沼の戻り鰹のたたきと、白神山地からの6種類の天然のきのこのソテーを合わせ、アクセントにみょうがの酢漬けを添える。戻り鰹も天然きのこも今が旬で、それぞれに旨み、風味がよくのる。両方が主役級の存在感で、かつ相性がいい。秋の味覚を力強く楽しむ。

戻り鰹と天然きのこの料理は、いずれも秋が旬の素材の組み合わせ。どちらも、料理の主役となり得る強い素材同士がガッチリと組み合う構成で、佇たたずまいはダイナミックかつさりげない。

「単純に、鰹が今最高においしいし、ちょうど数日前に白神山地からとても上質な天然ものが届いたので、これらを合わせました」という。

きのこは、天然のなめこ、こうたけなど6種類。ねっとりとして旨うまみの強い鰹と、シャキッとして風味の濃いきのこは、口の中で絡み合い、徐々に一体化。その変化と濃厚な味
が実に心地よい印象を残す。そんな中、みょうがの甘酢漬けがアクセントとして働く。きのことオリーブオイルで作るピュレを下に敷いている。

この一品は自由な料理という側面を強く感じるが、根底にはイタリア料理の伝統がある。

「もともと、イタリア料理では海のものと山のものの組合せ“マーレ・エ・モンテ”が定番であります。それを意識しました」(岩坪氏)

岩坪 滋

イル プレージョ 岩坪 滋

Yutaka Iwatsubo
1978年、東京都生まれ。調理師学校を卒業後、アクアパッツァグループに入り、日髙良実シェフに師事する。約5年後に渡伊し、3年間にわたりピエモンテ、カンパーニャ、ヴェネト、サルディーニャで働き、シチリアでも研修。帰国後は「リストランテ カシーナ・カナミッラ」のシェフなどを経て2012年に独立、「イル プレージョ」をオープン。
このシェフについて