ファロ 能田 耕太郎 目でも舌でも楽しめる、ファロのヴィーガン料理

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モダンかつ創造性のあるイタリア料理で、高い評価と人気を獲得している「ファロ」。エグゼクティブシェフの能田耕太郎氏率いるファロでは、サステナブルに向けた取り組みを多彩、多層に実践している。たとえば、日本のガストロノミーレストランとしてはめずらしく、ヴィーガンコースを提供しているのはその一例。卵や乳製品を含む動物性素材を使わないヴィーガン料理は、環境に強い負荷をかけている畜肉の使用を避けられるなどサステナブルな食のあり方につながるのだ。

今回はそんなファロのヴィーガンメニューを2品ご紹介する。

精進大根のラヴィオリ

ファロのヴィーガン料理「精進大根のラヴィオリ」

精進だしを染み込ませた三色の大根の薄切りで、精進だしのだしがらを、やや粒感が残る程度にペースト状にしたものをはさんだ。だしがらの内容は、炒り大豆、どんこしいたけなど。厨房の中での廃棄食材の最小化を徹底しているファロ。通常は捨ててしまうこれらを無駄なく使った一品だ。

テット・ド・フロマージュを模したキノコのテリーヌ

ファロのヴィーガン料理「キ ノコを使ったテリーヌ」

一見、ヨーロッパの伝統料理「テット・ド・フロマージュ(豚の頭肉をゼラチン質で固めた品)」に見えるが、こちらはキノコを使ったテリーヌ。ヒラタケと紫ヒラタケを63℃で10時間加熱し、アガーで固めた。きのこの旨みがもっとも凝縮し、おいしいだしがとれるのがこの温度帯と加熱時間。レモンオイルと松のオイルで風味をつける。

Photo Masahiro Goda

能田 耕太郎

ファロ 能田 耕太郎

Kotaro Noda
愛媛県生まれ。大学卒業後料理の道に入り、1999年に渡伊。三つ星レストランをはじめとする名店で経験を重ねたのち、現地でシェフも務める。2013年にデンマークの「ノーマ」などで研修し、世界最先端の北欧のガストロノミーを学ぶ。その後ローマで、共同経営にて「bistrot64」を開業、ミシュラン一つ星を獲得する。18年より現職。
このシェフについて