龍吟 山本 征治 冬といえば蟹。ハッピーな時もそうでない時も!

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今回紹介する龍吟・山本征治氏の料理は、メスの松葉がにであるセイコ蟹を使った一品だ。

実は龍吟では、冬のごちそうである松葉がにには並々ならぬ力を入れている。松葉がにや越前がにの産地では、特別品質の蟹にタグをつけてブランド化しているが、龍吟でもオリジナルの「龍吟タグ」を作成。鳥取県の境港の水産業者にお願いして、オスもメスも、水揚げされた中で「これぞ」という大きさ、質のものにこのタグをつけて送ってもらっているのだ。

龍吟の蟹料理

さて、今回の料理のセイコ蟹は、ゆでてからさばき、部位ごとに必要な手間をかけてから盛り合わせている。具体的には、ミソで和えた内子を器(セイコ蟹の殻から型を取り、錫すず製であつらえたもの)に盛り、ほぐし身、丸くとった外子をのせ、脚を並べる、というもの。

「工程は「ゆでる」「さばく」「ほぐす」「和える」「盛り付ける」とシンプルですが、それぞれで最適な具合をピンポイントで成し遂げることが大事。細部まで理にかなった、味も姿も
インパクトのある料理に仕立てます」

盛り終えたら蒸し、熱々の状態に江戸切子製のドームをかぶせて提供。ドームを外すと蟹の香りが立ち上り、整然と並ぶ蟹のビジュアルが現れるという、粋な演出だ。

山本 征治

龍吟 山本 征治

Seiji Yamamoto
1970年香川県生まれ。四国調理師専門学校を卒業後、14年間の修業時代を経て2003年、六本木に「龍吟」をオープン。12年に香港で、14年には台北でも「龍吟」をプロデュースする。「世界のシェフ100人」で5年連続世界トップ10入りを果たすなど、国内外で高い評価を得る。18年、東京ミッドタウン日比谷に移転。『ミシュランガイド東京』では11年連続で三つ星として掲載される。
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