「辻留 赤坂店」の料理の責任者を務める藤本竜美氏に今回作ってもらったのは、関東風の澄まし仕立ての雑煮。利尻の昆布と鹿児島・枕崎の本枯節(ほんかれぶし)でとった出汁は深い旨みで安心感を誘う味わいだ。
椀種(わんだね)の主役はうずらの肉を叩たたき、丸にとったもの。「うずらは先代が好んだ素材です」と藤本氏。日の出を表す金時にんじんの赤、うぐいす菜の緑、松葉柚子の黄色が正月らしい華を作り出す。餅は、関東風の焼き角餅。「魯山人は『焦げ味という味付けなんだ』と言っていたそうです。餅の焼き加減にはとりわけ気を使います」という。
Photo Satoru Seki
懐石 辻留 藤本 竜美
Tatsumi Fujimoto
1966年生まれ、山口県出身。仕出し専門店の家に生まれ、幼少より料理に親しむ。高校卒業後「辻留」赤坂店に入り、辻嘉一氏、義一氏に学ぶ。同店にて経験を重ね、2016年頃より料理の責任者を務める。
このシェフについて