“味のある肉”、東伯和牛

鳥取県のほぼ中央に位置する郡琴浦町(ことうらちょう)は、大自然の恵みを受けた食材にあふれた町である。江戸時代に北前船の寄港地として栄えた赤碕を擁する北側は日本海に面し古くから漁業が盛んだ。そして南北に流れる清流を中心に開けた台地や平野では、県下有数の農畜産物を産する。琴浦町へのふるさと納税でおすすめしたいのがブランド牛「東伯和牛」だ。

東伯和牛
ふるさと納税の返礼品とされる東伯和牛。オ特選サーロイン・ステーキ、特選モモスライスなどを用意。<br/>※写真はイメージ

霊峰・大山(だいせん)のふもとに広がり、美しい水と豊かな土壌に恵まれた琴浦町のほぼ中央にとうはく畜産が
ある。近隣には牧場も広がる酪農や畜産が盛んな地で、2006(平成18)年、4軒の農家が集まって設立した会社だ。肥育する牛は常時約1500頭。毎月80頭を出荷するなど、鳥取和牛の約半数を生産する県内随一の規模を誇る。特に、とうはく畜産によって生産された黒毛和種の一部が「東伯和牛」の名で東京でも販売されるようになった。

とうはく畜産
大山の清らかな伏流水がとうはく畜産の何よりの財産。穏やかな環境が、安定したおいしい肉を生み出している。

こだわりは「肉の味」だ。2代目の社長を務める山下毅さんは、「和牛でも、何の味もしない肉もあります。うちでは、食べた時にインパクトのある、味のある肉を目指しています」と話す。エサにサツマイモの粉を加えることで、脂に甘みが出て、焼いた時に香ばしい匂いが立つ。牛の飲み水には、大山の伏流水を使用。毎日、同じ時間にエサを与え、臭い対策として鶏けい糞ふんを炭にしたものを混ぜたおがくずを寝床にし、換気をするなど、牛にストレスを与えない工夫も凝らしている。昔ながらの牛飼いのカンも大切にしながら、血液検査で牛の栄養状態やビタミンの過不足を確認しながらえさを調整するといった技術的な手間も惜しまない。

「先代の時代から『これからはただ霜降りなだけではない、味にこだわった牛でなければ』と言い続け、追求してきた結果が今に表れています。大山の恵みに育まれた東伯和牛を、全国のより多くの皆さんに味わっていただきたいと思っています」

  • 出荷直前のメス牛
    出荷直前のメス牛(27カ月)。700~750kgある。スタッフ18名の規模を生かした規則正しい生活が牛のストレスを軽減させる。
  • サツマイモの粉を配合した独自の飼料
    サツマイモの粉を配合した独自の飼料。甘みのある、濃厚な味わいの肉を作る。子牛時代には良質な牧草をふんだんに与える。

琴浦町総務課 ふるさと納税担当
TEL0858-52-2111
https://kotoura.tax-furusato.jp/

Photo TONY TANIUCHI Text Rie Nakajima
※『Nile’s NILE』2018年1月号に掲載した記事をWEB用に編集し掲載しています