和歌山発酵食紀行

湯浅を巡る

北町通り
町の東西に延びる北町通りには、⻆長をはじめ、金山寺味噌の太田久助吟製、湯浅伝建地区休憩所 岡正(おかしょう)など古い建築物が残る。
  • ⻆長の職人蔵
    ⻆長の職人蔵。江戸時代に使用していた醤油醸造の道具の数々が展示されている。
  • 湯浅の街並み
    江戸時代の文化年間には92軒もの醤油醸造元・販売所があったという。その名残が点在する。
  • 北町茶屋いっぷく
    江戸時代の町家を利用した、北町茶屋いっぷく。座敷には絵本や小説が並ぶ。
  • 資料館
    幕末から1985(昭和60)年まで営業されていた銭湯、甚風呂。現在は資料館として公開している。
  • 一筆龍と行灯のギャラリー
    一筆龍と行灯(あんどん)のギャラリー。手焼きせんべいや麹アイスも販売している。
  • 醤油蔵
    湯浅の象徴といえる醤油蔵は、町のあちこちに立ち並び、伝統的な景観を形成している。
  • 戸津井醤油醸造場
    文化年間創業の老舗の戸津井醤油醸造場は、現在、醤油販売のみを行う。
  • 商家の入り口
    麹の製造販売を営んでいた商家の入り口の看板に大きく「麹屋」の文字が書かれている。

金山寺味噌-太田久助吟製

太田久助吟製
湯浅の伝統建築の代表である、厨子二階と呼ばれる低い二階建て、屋根、格子といった意匠が残る太田久助吟製(おおたきゅうすけぎんせい)。もともとは醤油醸造業を営んでおり、醤油醸造の傍ら、贈答用として金山寺味噌も造っていた。現在は金山寺味噌の専門店となっている。
  • 金山寺味噌
    代々使われている室。冬は練炭などで温める。
  • 金山寺味噌
    黄金色の汁が醤油のもととなったと言われる、たまり汁。
  • 金山寺味噌
    店主の太田庄輔さん夫妻。今は1年に仕込む量を決め、売り切れごめん方式にしている。「手作りできちんとしたおいしいものを出せる範囲で、伝統の味を守って行きたい」と太田さん。
  • 金山寺味噌
    瓜、茄子、生姜、赤紫蘇を入れた金山寺味噌。かつては寺で造られ、庶民の口には入らない高価なものだった。

太田久助吟製
和歌山県有田郡湯浅町湯浅15
TEL0737-62-2623
https://ota-kyusuke.jp/

おぐらや

創業昭和元年のおぐらやでは、3代目の大倉広継さんが湯浅の新名物として考案した「湯浅しょうゆまんじゅう」が人気だ。もちもちの生地に⻆長の醤油が練り込まれたまんじゅうで、香ばしい醤油の香りに、優しい甘さのこしあんがよく合う。小さいサイズの土産用12個入りのほか、「地元の人に食べてもらいたい」と、別包装のものも販売している。湯浅城の城主、湯浅家の紋をかたどった「宗重もなか」も好評だ。

おぐらや
和歌山県有田郡湯浅町湯浅1033 
TEL0737-62-2434
湯浅しょうゆまんじゅう

つるや

4代目のご主人、川野益弘さんが和菓子店、奥さんの玲子さんが寿司店を営むつるやでは、⻆長の醤油を使った「しょうゆまんじゅう」を販売している。生地はもちろん、あんにも醤油を入れ、さらに皮の表面にも醤油を塗って焼き上げた、醤油の香りと風味が効いた一品だ。甘辛い味わいで、男性ファンも多い。「香りと塩気のいい割合を見つけ出すのに苦労した」とご主人。洋菓子職人の資格も持つご主人は、毎年、クリスマスケーキも販売している。

つるや
和歌山県有田郡湯浅町湯浅1000-2
TEL0737-62-2341
しょうゆまんじゅう

1 2 3 4