特 集 「料理人たちのコーヒー」 -神田裕行・谷昇・山田チカラ・若林英司-
昨今のコーヒーブームは皆さんご存じの通りだろう。焙煎したての豆を買って自宅で淹れる、スターバックスのようなコーヒーショップ、あるいはコンビニエンスストアでも手軽に本格的なコーヒーを楽しめる状況がある。そんな中、料理人にとってのコーヒーとはどんな存在なのか。
「元麻布 かんだ」の神田裕行氏、「ル・マンジュ・トゥー」の谷昇氏、「山田チカラ」の山田チカラ氏、そして「エスキス」の総支配人である若林英司氏にその魅力や思い入れを聞いた。
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JAPANESE
日本料理 かんだ | 神田 裕行
空気とともに味わうコーヒーの旨さ
「エスプレッソって、表面に少し泡が浮かぶでしょ。これがいいんだよ。おいしさを感じる一番の要素だね」と神田裕行さん。この“泡話”が口火になって、「エスプレッソ・抹茶起源説」なる“新説”が飛び出した。 「ビールは液体自体が苦くて、泡のところはちょっと甘い。抹茶も同じで、お茶に細かい泡を立てて、そこに空気を内包させることで、苦さを甘く感じさせている。これは、いわば千利休の発明。もう400年以上の歴…
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FRENCH
ル・マンジュ・トゥー | 谷 昇
カフェ・オ・レが仕事のエンジン
谷昇さんのコーヒーとの出合いは、高校時代。奥さんとのデートで行く横浜のカフェで、いつもお決まりのハワイコナコーヒーを飲んだ。 「海が好きでしたし、やさしい酸味で、素直においしいな、と思って。マスターにすごく良くしてもらい、飲み比べさせてもらった覚えがあります。その後、結婚して、新婚旅行先にハワイを選ぶほど、思い入れのあるコーヒーでした」 18歳で料理の世界に入り、初めてエスプレッソを飲…
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INNOVATIVE & OTHERS
山田チカラ | 山田 チカラ
茶室にたちこめるコーヒーの香りがいい
創作和食を提供する山田チカラさんの店では、食事の最後に、店の一角にしつらえられた茶室で女将が点たてた抹茶を出す。客から要望があれば、抹茶の代わりにコーヒーを出すこともある。 「抹茶と同じように、女将が茶釜からお湯を注いでコーヒーを淹れます。茶室でコーヒーって、いいですよ。空間全体に、コーヒーの香りが充満するんです」 カウンターで食事をした後、食後の抹茶をゆっくりと楽しめる茶室は、山田チカ…
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イタリア人のように切り替えのエスプレッソを
「エスキス」の総支配人として、日々忙しく働く若林英司さん。コーヒーは仕事の合間に頭を切り替える時やテンションを高める時、あるいは逆にアドレナリンが高い時に抑える役目で飲むことが多い。そんな時は、いずれもエスプレッソだ。 「ホッと一息、というより動き続けている合間にサッと飲んで次の仕事に移る、という感じです」 仕事中に、自分でエスプレッソを淹れて飲むことはない。よく利用するのは、エスキスのある…
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