特 集 「食の未来と料理人」 -岸田周三・下村浩司・川田智也・谷昇-
コロナ問題はレストランにとって紛れもない災難だ。しかし前代未聞のこの逆境を超えるべく挑戦し、経験を糧とする料理人たちがいる。また、年々見過ごすことができなくなっている環境問題について、食のプロの立場から切り込む料理人も登場している。トップシェフたちはこの激動の時代、どのような思いで料理や食と対峙しているのか? 今回は4人の料理人を紹介する。
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FRENCH
カンテサンス | 岸田 周三
進化は変わらない
今年でオープンから16年目を迎えるカンテサンス。岸田周三氏は料理に対するストイックな姿勢を貫きながら、レストランシーンのトップを走り続けてきた。コロナ禍に際しても、また業界で「サステナブル」の思想が新潮流を作り出しても姿勢はブレない。「これからも変わらない」と言いきる岸田氏からは、揺るぎない自信が感じられる。 コロナ禍をプラスに変えた挑戦 料理は、プロデュイ(素材)、キュイソン(火入れ)、アセゾネ…
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FRENCH
エディション・コウジ シモムラ | 下村 浩司
ダイナミックな視点の転換
コロナ禍で、社会も飲食業界も大きな痛手を受けているが、下村浩司氏はこれを機に料理人として向上すべき道を選択した。国内の地方のあちこちに足を運び、今まであまり目を向けてこなかった郷土の食文化から大きな刺激を受けた。また、コロナ禍をきっかけに始めたECサイト用に考案した料理が、で提供する料理にも影響を与えているという。 料理人として、経営者として前向きな転換を 「コロナに際して後ろ向きにばかりなっては…
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CHINESE
茶禅華 | 川田 智也
精度は進化を生む
昨年12月にミシュランガイドで三つ星を獲得するなど、勢いと充実度をいっそう増している「茶禅華」。シェフの川田智也氏は、昨年の緊急事態宣言に伴う臨時休業中に店と料理を強化するなど、コロナ禍のピンチをチャンスに変えた料理人の一人だ。また「食のサステナブル」という課題に意欲的に取り組むことでも知られる。 ピンチをチャンスに 昨年の4月、「茶禅華」は丸1カ月の間、店を臨時休業した。その際、川田智也氏は、最…
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FRENCH
ル・マンジュ・トゥー | 谷 昇
危機を超える信念
長年にわたる料理人人生の中で、幾多もの社会的な危機に直面し、乗り越えてきた経験を持つ「ル・マンジュ・トゥー」の谷昇氏。コロナ禍という大きな危機の中でも動じず、日頃から自分に厳しく課している料理人としてのあるべき姿勢を貫く。その一方で、料理自体は変化し続ける。年を重ねても、料理人として成長する意思は衰えない。 強化し続けてきた料理人としての軸 谷昇氏は現在68歳。料理の道に入ってから約50年の月日が…
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