特 集 「令和を食べる VOL.2」 -山本征治・奥田透・渡辺雄一郎・川田智也-
西暦は連続性を持ち続けるが、そこに元号が加わると、いったんリセットされる。別の時代になるのだ。となれば、当然のように、その前の時代を振り向き、懐かしむことになる。
平成を振り返り、さらには昭和までさかのぼる。わけても食。あの時代にはこんなものを食べていた。さて、今現在の時代「令和」の食はどのようなものであろうか。
「龍吟」の山本征治氏、「銀座 小十」の奥田透氏、「ナベノ- イズム」の渡辺雄一郎氏、「茶禅華」の川田智也氏に新時代の味となる一皿を、そして彼らの昭和の味、平成の味について語ってもらった。
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JAPANESE
龍吟 | 山本 征治
本物との対話
個を表現する時代は終わった。これからは、未来に継承されるべき「本物」を追求する時代だ――。日本料理がいかに多彩で精神性豊かなものであるかを伝えるために、「龍吟」山本征治氏は今日も全霊を注ぐ。 本物の日本料理にフロントラインに立つ 「昭和は日本料理の基礎が確立された、“アナログ”な時代。料亭があり、花柳界が栄え、お金をたくさん使う旦那衆をもてなすために料理とお酒がありました。日本料理が半分、お…
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JAPANESE
銀座 小十 | 奥田 透
時間の流れを皿にうつす
5月なら端午の節句。兜の器や「勝負」にかけた菖蒲(しょうぶ)を添えて、季節の味を楽しむ。流通やコミュニケーションのギャップがなくなっていく世界の中で、料理もまた均質化している。だからこそ、もう一度、日本の伝統を、洗練された現代の料理として表現する。過去を振り返り、未来への願いを込めて、「小十」奥田透氏が腕を振るう。 日本文化までを料理で表現した、上質でおいしいものを 兜の器には、東北で桜の咲…
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FRENCH
ナベノ-イズム | 渡辺雄一郎
日本の心とフランス料理の融合
日本の心とフランス料理の融合 ポール・ボキューズ氏のもとで5年、ジョエル・ロブション氏のもとで21年。平成を通して日本人の誰よりもフランス料理界の巨匠たちから薫陶を受けた「ナベノ- イズム」渡辺雄一郎氏が目指すのは、氏にしかできない、日本人の心とフランス料理の本当の意味での融合だ。 料理人人生と、時代の流れが不思議と合致 「ありがたいことに、僕の料理人人生と、時代の流れが不思議と合致している…
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CHINESE
茶禅華 | 川田 智也
にじみ出る豊かさを掴む
「和魂漢才」を掲げる「茶禅華」の川田智也氏。日本の食材や精神と、中国料理の技術や哲学、その両方に敬意を表し、調和を大切にする。そんな川田氏が新時代にかける思いを、料理で表現してくれた。 これからの時代は、おいしさと健康が両立した料理が必要 令和元年5月1日。川田智也氏は北京にいた。「日本人が作る中国料理とは何か」を徹底的に追求する川田氏らしい巡り合わせだ。 「偶然なのですが、確かに令和…
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